2010年にフランス料理は’’食の伝統’’としてユネスコの無形文化遺産、形のない遺産として登録されました。質の高い厳選された素材を使った料理、ワインとの絶妙な組み合わせ、前菜からデザートまで時間をかけて料理を堪能する。
でも、何だかこれがフランス料理は格式高すぎちゃって、と初めてのフランス旅行でどこに行っていいのかわからない、そう思って手が出しにくいお客様を増やしている気がします。
実際にガイドをしていて、8割を超えるお客様がお食事どころで困ってることに何となく納得。知らない土地・言葉・人種の中、更に知らないお店に入るのは気が引けますよね。
ここってどのぐらいのレベルのお店なのかしら?
もうそんなことは一切ない!レストランとビストロ、ブラッスリー、そしてカフェの違いってどんなところ?とまずはこれを理解するだけでも大分お店選びの幅は変わると思います、そして、このサイトではおすすめレストランも随時更新していきますので、是非是非参考にして下さい!
フランス人でも知らない違い
フランス人でもおそらくハッキリこの質問に答えられる人って意外と少ないと思います。皆んな’’何となく’’こんな感じと思っている、それを解決してくれる面白いフィガロの記事を見つけたので、これを参考にお話していこうと思います。フランス語を勉強してる方は優しめ中級レベルの読解なので、是非参考記事も読んでみてください。
パリ有名レストラン
記事は、パリの超有名老舗店舗のオーナー達にレストラン、ビストロ、ブラッスリー、カフェの違いをインタビューしたもの。
パリに住んでる人なら必ず一度は訪れたことがある有名処です。パリ到着初日に行ってもいいのでは?
- Bouillon Chartierオーナー、クリストフ・ジュリー
- Brasserie Lipp支配人、クロード・ギュイター
- Grand Café Capucines支配人、リリアン・コンボンリュー
カフェ
カフェは日本の喫茶店ですね!友達とおしゃべりをしてゆっくりと過ごす場所。
食事も、軽食のみになるので、サンドイッチ・サラダ・クロックムシュー(パンの間にハム・チーズ・ベシャメルソースを挟んで焼いたもの)など簡単なものです。
ブラッスリー
ブラッスリーはノンストップ営業のところが多く存在し、メニューもゆで卵からオマール海老まで幅広く選択肢があること。
フランスではランチタイム(12:00-15:00頃)とディナータイム(19:00-23:00頃)で時間が決まっていることがほとんど。
日本のファミレスの様な24時間なんでも頼めるところはほぼありません。そんな中、ブラッスリーは時間に関係なく1日中提供するのがコンセプトな場所も多いのです。
もともとはアルザス地方のビールの醸造所が、お酒だけでなく料理も提供し始めたのが名前の由来です。第二次世界大戦で一度ドイツ占領下に置かれた数多くのアルザス民は、その後パリ等大都市へ避難し、そして再びお店を始めたのです。
パリの有名老舗ブラッスリーLippが1880年にアルザス出身の2人によって開かれ、そして今でもお店の看板メニューにシュークルト(アルザスの名産料理)が入るのは偶然ではないってことですね!
ビストロ
ブラッスリーの説明でも言った通り、食事の時間に制限があります。ランチタイム(12:00-15:00頃)ディナータイム(19:00-23:00頃)。そしてメニューの幅も狭い、ブラッスリーに比べて華やかさに欠ける。って嫌なことろばかりか?といやいやそんなことありません。
もともはワインを販売していた場所から発展したビストロ、こじんまりとした家庭的な場所、アットホームなサービス、という言葉が当てはまる気がします。鴨のコンフィ(もも肉を塩漬けににて低温でじっくり加熱し、外側をカリッと焼いたもの)・カスレ(大量の白インゲンとお肉をオーブンで焼いた郷土料理)・フライドポテトとステーキ。
簡単に、素早く提供できるメニューの代表格となるものが多いのです(厳密に言うとカスレはとんでもなく手間がかかりますけどね…)。フランス人に親しみのある料理が多いです。私達で言う所の豚の生姜焼き定食、とんかつ定食、鯖の塩焼き定食って感じです。
ビストロ、という言葉の語源はロシア語の’’ビストロ’’=’’速く’’という意味です。1814年ナポレオン敗退後、パリに滞在したロシア兵たちはフランス人のユックリすぎるサービスをせかす為にこの言葉を使ったそうです。
レストラン
レストランという言葉は、そもそもご飯どころを総称して使われますが、ここで言うレストランの意味はもちろん違います。フランスでもレストランだけで色々なレベルの場所があります。例えば、宿泊施設が一緒にある場所は”オーベルニュ’’と言ったり、”グランメゾン’’と言ったらとても格式のある場所、ちょっと今日の夜行こっか!のレベルではないということ。
ミシュランの星がつくのもレストランのみのレベルわけです。
フランス革命後、王に仕えていた料理人達が自身でお店を開きだしたところからレストランの歴史は始まります。洗練された一品、上品な味わいの中に豪勢な王宮のインスピレーションを受けたであろう姿を思い起こさせるもの。なぜレストランだけに星ランクがつくのか、そういうことかと納得。
フランスの星付きミシュランガイドについて更に詳しく知りたい方はこちらもおもしろい記事だったので是非。日本語です。
まとめ
カフェ、ブラッスリー、ビストロ、そしてレストラン。これら無くしてパリをパリとは呼ばない。とフィガロの記者は語っています。
現在では、元々の意味や語源は誰も気にしなくなってきているブラッスリーとビストロの違いも、実はお店によって様々。日本でも、高級感漂う居酒屋があればアットホームな高級ステーキ肉屋もありますもんね。そこまで気にしなくてもいいものです!
ただ!食事をしにカフェに入るのと3星高級レストランに予約して行くのでは、これは大きな違いがありますから。笑 星付きレストランはちょっとかしこまった格好した方が気分出るかもな、と頭に入れておきましょう。
記念になる素敵な時間をそれぞれのスケジュールに合わせて。ぜひ美食の国フランスを堪能して下さい。食事に関しては、服装やマナー、予約の取り方、おすすめ料理、等伝えたいことはすこぶるありますので、皆さまから記事にしてほしい内容も、お気軽にご連絡頂ければ嬉しいです😊
ではまたー。 Bonne journée❤️